切迫流産というと、流産の可能性があるとても危険な状態ということでよく知られていますが、逆に考えれば流産してしまったわけではありませんから、妊娠をそのまま継続することも可能ということになります。
切迫流産では、必要な場合には手術が行われることがあります。
その場合の手術は、ほとんどが子宮頚管縫縮術という手術で、流産や早産を防ぐために子宮頚管を縛って開きにくくしてしまうものです。
この手術にはマクドナルド法とシロッカー法という二つの方法が存在していますが、どちらの方法が採用されるかは医師の方針によって違ってきますので、もしも手術となった場合に気になるようでしたら医師に確認してみると良いでしょう。
切迫流産と診断された場合に必ず手術が行われるわけではなく、何が原因で切迫流産になってしまったかにもよりますからそれほど手術に関して心配する必要はないでしょう。
手術をしない場合も、そして行う場合も、どちらにしろ基本は安静にしていることが大切です。
「子宮頚管無力症」の妊婦さんは手術が必要
切迫流産の原因が明確に子宮頚管無力症と診断されている場合は、子宮頚管縫縮術が行われます。
ですから、子宮頚管無力症以外の原因で切迫流産と診断されている方は手術の必要はありません。
子宮頚管無力症とわかっている場合は、切迫流産や切迫早産の症状が出てからではなく、あらかじめ予防として手術を行う場合がほとんどです。
初めての妊娠の場合には気付きにくく、自覚がないまま流産となってしまう方も少なくありません。
しかし、手術をすれば間に合う場合もありますので医師とよく話し合ってみましょう。
流産や早産の予防として手術を行う場合には、通常16週ごろまでに行われますので、子宮頚管無力症がわかっていて妊娠をした場合にはすぐに医師に相談しましょう。
切迫流産の手術の種類について
切迫流産の手術として行われる子宮頚管縫縮術ですが、この手術には実は二通りの方法があり、医師の方針などによってどちらの方法がとられるのかが変わってきます。
二つの方法は上でお伝えしたとおりシロッカー法とマクドナルド法で、マクドナルド法のほうが比較的簡単な方法と言われています。
どちらもしっかりと確立された方法なのですが、それぞれ特徴に違いがありますのでもしも手術になる場合にはこの二つの違いをしっかりと知っておくことも重要かもしれません。
マクドナルド法の特徴は切開をせずに内子宮口の下部を縫って縛る方法です。
この方法は出産の際もそれほど影響がなく、自然分娩でもとくに問題がないと言われています。
しかし、その代わり後から縫い直しをすることもありますからその点は注意が必要です。
もう一つのシロッカー法は子宮頚管の根元から縛る方法なのでとても高い効果が期待できますが、その分出産の際に問題が出てくる場合も多いと言われています。
どちらも少なからリスクを伴う手術ですが、それでも手術の必要がある方にとっては避けて通れないことです。